血栓症は、血管の中で血液が塊を作って、血液の流れを悪くしたり、ストップしたりする病気で、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こします。ピルに含まれる女性ホルモン(エストロゲン、黄体ホルモン)は血栓症に関係するといわれており、エストロゲンは静脈血栓症に、黄体ホルモンは動脈血栓症に関わるとされています。ピルを服用したときに起こる可能性があるのは静脈血栓症で、動脈血栓症は稀です。また、ピルに含まれるエストロゲンの量が多いほど、血液を凝固させやすく静脈血栓症のリスクが高くなります。
喫煙習慣がある場合も、血栓症のリスクが高くなります。喫煙によって吸い込んだ一酸化炭素は、血中の赤血球にあるヘモグロビンと結合して体内を巡ります。通常、ヘモグロビンは酸素と結合して、身体のすみずみまで酸素を届けるのですが、喫煙によって身体は酸欠状態になってしまいます。そのため、赤血球がどんどん作られて血液中の成分バランスが崩れ、塊ができやすくなります。また、煙草に含まれるニコチンには、血小板の粘着度を増す作用があるので、血小板同士がくっついて塊になり、血液の流れをせき止めます。
ピル単独では、血栓症のリスクはそれほど高くありませんが、喫煙と組み合わせると一気にリスクが跳ね上がります。そのため、喫煙習慣がある場合にはピルの処方はされません。喫煙している人が通販などでピルを入手した場合には、危険性を理解して禁煙することをおすすめします。
ふくらはぎの痛みや手足のしびれ、胸が痛いなどの症状が出たら、血栓症の恐れがありますので、すぐに服用をやめて医療機関を受診してください。特に激しい症状が現れたら、速やかに救急医療機関を受診しましょう。